振り返りフレームワークKPTを使ってみたレポ

もくじ

こんにちは、もじゃです。

以前の常駐先チームで、一週間おきにKPTというフレームワークを使った振り返りミーティングが開催されていて、それがすごくいいものだったんです。

今の現場ではチームリーダーをさせてもらってるので、KPTミーティングを導入してここ一年ほど実践し続けていて、今回はそのレポ記事となります。

それではどうぞ!

KPTとは?

KPTとは、一週間でのチーム内の取り組みや仕事の状況について、

  • Keep・・・このまま続けていきたいこと(よかったこと)
  • Problem・・・困りごと、今後起こりそうな問題
  • Try・・・Keepを受けての向上案やProblemの解決策、やってみたいこと

の3つに分けて、最初にメンバーそれぞれが思いついたことを一つのボードに書き出してから、トピックごとにみんなでコメントして共有したり解決策を話し合う、というフレームワークです。

オリジナルだとトピックの書き出しやコメントの追加にはホワイトボードと付箋を使うのですが、リモートワークの現場の場合は参加者に編集権限をつけたGoogleスプレッドシートや、Webホワイトボードサービス(例:オンラインホワイトボードアプリ)等を使って実施することができます。

この記事では自分も実践したGoogleスプレッドシートでのやり方で解説していきます。

KPT実践の流れ

こんな感じのシートを用意します。これはブログ用サンプルなので枠少な目ですが、実際に使うときははもっとトピックが出る可能性があるので行を増やすといいです。

ミーティング開始したらファシリテーター(以下ファシリ)がタイマーで3分計り、各自にKeepProblemTryを好きに書いてもらいます。「Problemには耳に痛いことでも遠慮なく書いてほしい」と定期的に呼びかけてもいいかもです。

書いたトピックの後ろには自分の名前も書いてもらいます。

3分後の状態は例えばこんな感じ。

Tryの項目は最初から出ることはあまりないので、上では端折りました。あればもちろん書いて大丈夫です。

「まだ書き途中の人は続けて書いてください」とアナウンスしつつ、トピックの読み上げに移ります。

一つ読んだら、トピックを書いた人に振って内容の補足や説明をしてもらい、続いて他の人にコメントを募ります。このときは、話された内容はファシリがボードに代筆していきましょう。書記みたいな感じですね。

Keepのトピックに対するプラスαの提案、またはProblemのトピックに対する解決策、が出たら右のTryに書いていきましょう。

全部話し終わった状態がこちら。

特にスマホの方、見にくくてすみません。画像拡大していただくか、色々話し合って改善策も出てるということが伝われば大丈夫です。

オリジナルではこの後Tryの項目をタスク化して管理することが推奨されてそうなんですが、自分の場合は、大事なものだけタスク化して、あとは個々人がタスク化するかどうかは任せます。

最後に一番大事なポイント。KPTは、雨の日も風の日も、病めるときも健やかなるときも必ず毎週一回定期開催してください。忙しくなってくると実作業の方を優先してKPTをスキップしがちなんですが、それはめちゃくちゃもったいないです。しんどいときこそKPTしておけば良かった…となります(実体験)。

参加者の感想

一年ほど一緒に参画してKPTを実践したイーガオメンバーに感想を聞いてみました。

良かったことを明文化して確認・言い合えるのが良かったです。
世の中、悪かったことだけ目立つ、ニュースになるじゃないですか。問題になったことしか記憶・印象に残らない。良かったことを共有することで気分良く仕事できたなと。

良いところ、助かったことを相手に伝える機会は普段は中々ないですよね。忙しいときとかは特に。
言われる側も、役に立ってることを実感すれば維持するモチベーションになるし、色んな理由で良い面がなくなっていくことも往々にしてあるので、長所を大事にしてと伝えられるのはお互いにとって良いことだと思います。

そうですね、ポジティブなフィードバックを送り合うことで、モチベーションが上がるし、課題をオープンに話せる場を作ることで、心理的安全性が向上したように思います。

心理的安全性でいうと、KPTなら「なんでも書いて(言って)いい」という雰囲気を作りやすいのかもですね。仕事と直接関係なさそうなことを書くのも、雰囲気作りに役立ってたように思います。

他のメンバーに関係なさそうな問題でも、とりあえずあげて共有するといいですよね。
例えば自分が何かにモヤモヤしているとして、それが適切な感じ方なのか、ストレス要因なのか、自分が過剰に意識しているのかみたいなことが、正しい認識をできてない可能性があるので、問題点を一側面からじゃなくて複数の参加者の視点から見ることで、精査したり解決策うかびやすいなと。
上の人への提言を考えているときに、「こういう言い方でいいか?」といったことを聞けるというのも良かったですね。

チャットやチケット管理ツールでは拾いきれない「気づき」を対話の中で得ることができますよね。
雑談の機会が少ないリモート環境では、KPTが貴重な「チームのリアルな声を聞く場」になっていましたね。

「ここ困ってます」みたいなことを雑談レベルでも上げるのは管理する側でも役に立つし。
今言うか、寝かせてから持っていくかの相談とかもできるのが助かりました。

「いつ言うか」問題は僕も大きいやつ相談したの覚えてます。
チームリーダーというポジションではありましたが、自分の至らない点を改善するきっかけをもらったり、適材適所でカバーしてもらえたことが多くて本当助かりました。

まとめ

プロジェクトって改善の余地(問題)が常にあるものだと思いますが、「課題表に書くほどではない/書きにくいけど困っている、不便に感じている」みたいな微妙な問題が積み重なって生産性を下げていることは多いと思います。

朝会などの定例会議だと、情報共有・作業の進捗確認、課題表をなめるなどのルーチンで時間が取られるので、問題自体を掘り起こしたり振り返りをするためのまとまった時間は取りにくい。

そこでKPTです。

KPTなら、課題表とか普段の会議でカバーできない問題をあぶり出して解決していったり、解決できない問題でも共有して支え合ったり、Keep(ポジティブフィードバック)もあるので基本的に良い雰囲気で振り返ることができます。お互い感謝で気持ち良し!

そして何より、ざっくばらんに意見を出し合うのは楽しいものです。まずは軽く、雑談みたいなノリで取り組んでみることを推奨します。

そんなわけで、楽しくチームの仕事の質を上げていけるフレームワーク、KPTの紹介でした。