【ダイバーシティ】コンテンツ共有会!2023 vol.2

もくじ

ダイバーシティ推進委員会で恒例となってきました、
コンテンツ共有会の様子を今回もざっくりダイジェストでお届けします。

コンテンツ共有会って何? という方向け説明はこちら

今回の題材は「僕の狂ったフェミ彼女」という作品です。
あらすじはこんな感じ

韓国でドラマ化・映画化決定!
初恋の人がフェミニストになった⁉ 
「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。
主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。
そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっている──。
本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」
とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。

〈あらすじ〉
就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。
毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。
そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。
遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。
しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。
 そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた
「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。
結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。
そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す……
ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた!

イースト・プレス内容紹介より

以前題材にした映画が引き合いに出される紹介に、どきっとするタイトルの気になる一作。
今回は映画ではなく本を題材にしてみました。
一体どんなトークをしたのか、雰囲気感じていただければ幸いです。
以下、ネタバレが多分に含まれておりますので、
気になる方はぜひ本を読んでからブログを読んでみてください。

読了!どうでした?

まあ……めちゃくちゃイライラしながら読んでましたね(笑)

イライラしながら(笑) その心は

もうなんか、もどかしさもありますし
いわゆるフェミニズム的な観点から主人公に対してイライラするってのはもちろん基本的なメインであるんですけど。
彼女の方も、そこまでそういう言い方しなくても……とかも。そして結局お前らそういう風にいくんかい的な部分も

便乗して私も主人公へのもどかしいポイントだと、彼女と接してる時そこまで強硬に否定するとかではないけど、男友達とか話してる時に感じることが変わったりはあれど、
態度は変わらないとか親戚の人と話してることが変わらないとかそこは逆に根深いというか。

親戚のみんなが集まってるところで、一族の中では風変わりなおじさんという人がいたけど
なんか特に接触なく終わるっていうところがリアルでしたよね。
ちょっと思うところはあれど、話をしたりはしないみたいな

人生と空白期間のはなし

隣国といえども、全然違うところも多々あるなと
前のキム・ジヨンさんの映画でも今回も感じて。
ただやっぱアジア圏って、ジェンダー格差的な指標って、基本的に下位ランクなんですよね。
でも単純にそのランキングごとに人々の意識が良い悪いがあるかっていうとそうでもないのかなと思っていますが

順位は政治家の数とか基準がある程度定量化した数値になるんで、
それがその国の人の意識に反映するっていうか微妙だけど、それでもアジア圏が低い所が多いって形式的な数値の部分でも、やっぱうまく進んでない原因はあるのかなと思います。
ある意味意識を変える方が難しいけど、制度とかを整えれば数字って頑張ればある程度やろうと思えば整えられるものだけど、それも出来てないというか

そうそう。その中でも韓国中国と日本を分けるのは儒教による影響だってよく言われている印象があります。
あと韓国の場合、私の想像だと、やっぱり兵役があることで、より対立を強固にしそうな気がするんですよね。

難しいですよね。現状、男性だけがほぼ必ず被る苦労で。
これがあるから、少なくともこの部分は相手はしない苦労でしょ、分からない事だから、って、ある意味出産とかもですけど、
片方の性だけがやる事だからってそれについて考えなくなるのがよくない事だと思います

お互いをわかり合うんじゃなくて、自分の方の苦労を押し付ける風になっちゃうのがって事ですよね

なんか女性のキャリア問題というか、意図せずとも結果としてM 字カーブを擬似的に再現してる部分も少しあると思います。
数年単位で職とかから離れざるを得ないって部分で

その辺どうなんすかね・・・兵役に行って戻ってくるときとかって、すぐ仕事とか戻れる感じなのか

何歳でって時期は決まってないんですね、
この歳までってのはあるけど、それまでのどこかでなんだ

今調べたら、大学の間に休学して済ませる人も多いみたいです

確かに、大学の学費規定とかに兵役の時は免除するみたいなのはあるらしいですよね

勿論完全に同じ部類で比較できるものではないですが、
いつやるかの選択を迫られる感じも含めて、M字カーブの話とも重なる所あるかもですね。
休学に際して、学費の規定っていう話があったりに関しては、もしかしたらここが在学中に例えば、子供を育てたいみたいな人に対しての制度を検討したりする上でちょっともしかしたら参考になるかもです。
若いうちに妊娠出産を推進したい訳ではないですが、例えば大学院生で課程を進むと結婚されてる方がわりといたりする状態を考えると、支える制度であったり、選択をしやすくなる、若いうちに選べる人生の選択肢が増えるっていう意味では少し考えるヒントになるかもですね

学業や仕事と、育児や介護とかの生活の両立というか、そういう、選択肢が広がる制度が増えたらよさそうですよね。

恋愛とフェミニズム

表題の『彼女』のスタンスはすごく今っぽい形だなと思っていて、いわゆるジェンダー的な話で恋愛を書くっていうのが、わりと恋愛から脱却みたいな話が多めだったんですけど。
今回の話は、自分の思想はフェミニストだけど、それと、この人は好きな人ではあるけどあんまり現状残念なことに信頼が置ける人ではない価値観な部分もあるけど、でも、一緒に生きていく道があっても、よかったかもしれないねみたいな感じで。
フェミニストとして不条理に憤る部分と、恋愛感情は両立していいって書き方が今っぽいなって思います。

切り離さないで一人の人間の中にどっちもあるんだなみたいな

それについて、作者さんと日本語の翻訳者さんが話してるインタビューが面白いのでぜひ合わせてどうぞ

インタビュー冒頭で作者さんがおっしゃってる「フェミニズムの話をするために、なぜ男との恋愛を描くのか」って
そこ批判する人がいるんだってちょっと驚愕を隠せないですね。

そういう風な意見も根強いけど、だからこそ今回の作品のどっちも描くスタンスがすごくいいなと思いました

やっぱりコミュニケーションのはなし

主人公に対しての彼女の言い分が正論なのは大前提として。
それでも、ちょっと言い過ぎじゃないかと思うところもあって。
敵対心剥き出しでいくのは、望ましい態度ではないと思うんですけど、
どうでしょう

もちろん、自分が全部譲ったり、全部を相手に合わせる必要はないんですけど不必要に攻撃をする必要はないし、作中でそういう攻撃的な態度があったのはあると思います。

実際、作中で他の人と話すときは、主人公に対するよりも言い回しマイルドだったりしましたね

そうして彼女との対話を避けて、男友達と愚痴って、自浄作用の効かない会話のループになるというか。
それもあったり、あくまでもフィクションだからって感じですけど、最後女性同士の連帯で希望がある終わり方に落ち着くのにちょっと悲しさを感じました。
男性が誰も変わっていかないっていう。もうちょっと現実は明るくなってほしいという願望がありますね。
主人公も時間をかけていつか彼女の言葉の意味に気づくかも

主人公と彼女がうまくいかなかったのって、夫婦や恋人に限らず起こりうる話だと思うんですけど、これまでがうまくいってたし、わかっててくれたから、この先もわかるだろうは甘えだと思うんですよお互い。
やっぱ言葉にしないと伝わらないものもあるし。

やっぱ人間社会全てそこがベースですね
ちゃんと言葉にして伝えないとわかんないっていうことを自覚してるかどうかってのはすごい大事なことだと思うんですよ。
あと伝え方、言えばいいってもんじゃないですからね。

言ってることは彼女めっちゃ正しいんですけど、正しいからこそ、相手が自分が間違ってることに対して言い訳ができなくなるとやっぱ苦しくなるんで。
正論を認めたら自分の間違いも同時に認めるって事なので

だから主人公もどうせ怒られるというか、反論されて終わるな
みたいな感じで放棄しちゃってるというか

まあでも主人公に関していうなら、自分からそれを放棄してるとこもあったんで。
むしろ何かこれ以上話進めてまずい方向に行ったらまずい、ってあえて自分から切ってる描写とかもあったと思うんですよ。
相手が変わってくれればいいと思ってる。なので、当然主人公にも非はあるんですよね

読んでると、主人公に対してイライラしつつも、うまくいかなかった部分で彼女の方もこうできたんじゃないとかいろいろ考えることで何かある意味自分がこの主人公にも彼女にもなってるときないかみたいな部分で身につまされる部分がちょっとあったというか、
コミュニケーションの反面教師としても面白い本だなと思いました。


男性主人公の一人称視点で描かれる世界で、これまでとまた違った側面から人と人が関係を作ることの難しさとか大事な事とかを考える事ができる、面白い作品でした。
小説ですが、文体めちゃくちゃ読みやすいのでおすすめです。

ダイバーシティ推進委員会ではイーガオの皆がより働きやすくなるように日々いろんな活動をしています。
イーガオメンバーで、実はこれで困ってる、こういう事を知りたい、などありましたら、お気軽にslackのダイバーシティ推進のチャンネルにお越しください!
では、読んでいただきありがとうございました!

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