【ダイバーシティ】コンテンツ共有会!2022 vol.2

もくじ

今年もあっという間に終盤に差し掛かって来ました。
気候は衣替えのタイミングよく分からない感じですが、皆様体調は大丈夫でしょうか。

先日、ダイバーシティ推進委員会でコンテンツ共有会を初めましたブログを書きましたが、今回は第二回の様子をお送りしたいと思います!

コンテンツ共有会って何?
という方向け第一回の様子はこちら

イーガオのダイバーシティ推進委員って何をしてるの?
という方はぜひこちらご覧ください。

今回の題材は「82年生まれ、キム・ジヨン」という作品です。

あらすじはこんな感じ

結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨン。
常に誰かの母であり妻である彼女は、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。
そんな彼女を夫のデヒョンは心配するが、本人は「ちょっと疲れているだけ」と深刻には受け止めない。
しかしデヒョンの悩みは深刻だった。妻は、最近まるで他人が乗り移ったような言動をとるのだ。
ある日は夫の実家で自身の母親になり文句を言う。
「正月くらいジヨンを私の元に帰してくださいよ」。
ある日はすでに亡くなっている夫と共通の友人になり、夫にアドバイスをする。
「体が楽になっても気持ちが焦る時期よ。お疲れ様って言ってあげて」。
ある日は祖母になり母親に語りかける。
「ジヨンは大丈夫。お前が強い娘に育てただろう」
――その時の記憶はすっぽりと抜け落ちている妻に、デヒョンは傷つけるのが怖くて真実を告げられず、ひとり精神科医に相談に行くが・・・。

映画公式サイトより

日本と物理的に近い韓国の映画で、社会風土や感覚など近い分かるポイントも多くて、
みんな自分の体験なんかも思い出してトークも弾みました。
そんな様子をざっくりとお裾分け出来たら嬉しいです!
以下、映画のネタバレが多分に含まれておりますので、気になる方はぜひ映画見てからブログを読んでみてください。

感想タイム

お父さんが娘の好みだと思ってて買ってきたパンが実際は好みと全く違うのって、予想通りすぎて切なかったですね。
娘の事考えてるようで全然見えてないと言うか

お父さんも旦那さんもそんな悪い人じゃないんだけど、結構絶妙に地雷を踏み抜いてくれた感じが難しいなあって

序盤みんなの空回り感はなかなかのもんでしたね

なぜ空回りしてしまうのかっていう部分ですよね

家族の大変なところ嫌なところを煮詰めたなっていう印象です。
国が違うはずなのに韓国でも日本でよく聞く話と全く一緒だなって。
現実はもう少し好意的な人の方が多そうな気がするんですよね。
そういう事をあえて書かない事で何かを伝えたかったんだと思います。
最後、煮詰まってた家族に光が見えた感じの終わり方なのは良かったのかなと思いました

登場人物みんな真面目だから疲労してる人たちだなと思いました
終わり方的にあの映画はキムジヨンさんの書いた自伝的な話
っていうていなんだと思いました。
一番大変だった精神的にも病んでた時期の話だから
例えば、旦那さんのお母さんの方も言い方は嫌味だったけど、多少は気遣いをしていたり、実際出会う人の中には好意的な声かけてくれる人もいただろうし。
ああいうのが見えないのも含めて、病んでた状態で見えてた世界というか

いわゆる世間の理想の親とか理想の子供になろうとすると自分が苦しい思いをするよなーっていうところが印象的でした。
社会は自分の1人の力では変えられないだけど、社会の中でどう自分らしく生きるかっていうのはどこまでが個人の領域でどこからが社会の領域かって難しいなあって。
あとは最終的に主人公が作家という一種のアーティスト性の強いところに落ち着きましたが、そういうアーティスト性のない人はどうするんだろうなとちょっと見てて気になったところはあります。
こういうジェンダー系の作品って嫌なところをピックアップして見せるのはすごいうまいんですけど、最終的な結論として理解があるパートナーがいたりとか、主人公が才能が実はあったとかってなりがちだなあとも思いました。

最初にも話題になってましたけど、お父さんが買ってきたパンのくだりは自分も印象的でした。
お父さんが少し改心して娘に向き合ったつもりになっていても、それは自分が思っていただけで、やっぱりすれ違ってるっていう。
今まで向き合ってこなかったから。こういうところに出てくるって部分の表現が上手かったと思います

お父さんって絶妙でしたよね。
バスで痴漢というか付き纏いっぽいこと受けたところで、迎えに来た時ちゃんと娘を心配してるし、無関心ではない親なんだけど、だからこそのタチの悪さがあって、無意識に娘と息子で差が出てる部分というか

お父さんの立場もそうですし、旦那さんの立場も面白く描かれてたなと思いました。
序盤はキムジヨンさんに救いの手を差し伸べようとしてるけれども、それにジヨンさんが反発しているのに、みているこちらはもどかしさを感じるんですよね。
でも回想シーンとかでちらちらと、旦那さんもやっぱり旧態依然した考え方を持っていたから、それがストレスになってたっていうのが最後には明らかになって。
あと「加害性」っていうと強すぎる言葉かもしれないですが、そういう面もあることを自覚することによって変われることもあるっていう、男性側の立場の難しさも感じました。
あと女性のチーム長が最初に出たシーンも印象的で。明らかに怒ってるって態度で示しても、周りのおじさんたちには茶化されて、その場を終わらせられるっていう風になってたんですけど、
こういうのって世の中に溢れてるなあって思って

よく女性はそういう問題に対していきなりキレるみたいなこと言うけど、元から怒ってるけど
あそこまでしないと怒ってることを認識してもらえないから、ヒステリックに見えるみたいなのよくありますよね

チーム長の諦めたようなあの表情がすごい印象的ですよね

同僚さん達や会社の女性たちの描き方の差異がいいなと思って。
自分の会社を起こしたチーム長さんとか同僚さんが元の会社で男性同期より遅れてでも昇進はしてとか
さりげなく女性のキャリアのロールモデルがいろんな形で出てた映画だなと思いました

それな!!!! な共感ポイント

旦那さんの立場の意見が出たりとかめぐさんからお子さんがいる立場での意見が出たりとか、この映画見る人次第でいろんなポイントが出る映画なんだろうなと

ちなみに皆さん
ここのシーンあー分かるーみたいなのあったりします?

地味に分かるなって思ったのは、旦那さんがセクハラの研修受けた後に同僚が面倒くせとか言ってるのに対して、それを違うと思いつつも波風立てらんないから強くは言えないけどみたいなところが。
旦那さん自身は思うところいっぱいあるのに、あの場では言えない感じとか、会社での書き方がリアルだなって思いました

私は、旦那さんのご両親から子ども産んでほしいって言われた後の、私の人生が全部変わるのにあなた(夫)は何が変わるのってところが

あ~~それ…!
あのとき色々言ってたけど、結局軽いんですよね。
旦那さんからの発言が

なんか旦那さんが失う物として挙げるものが無邪気だなーと

あの時の彼はまだちょっと無邪気な時代ですよね。
逆にその無邪気さが見えない暴力になってたってというのが、後から分かるんですけど

キムジヨンさんは自分の生活は変わってるのに旦那さんは変わらないっていう部分でどんどん追い詰められてはいたんだろうなと思いました。
旦那さんは育児関わろうとしてる態度は伝わるけどもうちょっと頑張れみたいな

男性の生きづらさについて

女性の生きづらさの映画って結構あるけど男性の生きづらさって絶対にあるはずなのに、それにフォーカスした作品って意外と少ないなって思いました

「男性学」というのもありますけど、研究書レベルですよね。

少ない理由って私の想像の範囲で思うのは、例えば今キムジヨンの映画を見て、ああ女性こういうことあるよねって、うちらは話せているんですけど。
男性の生きづらさの映画を見た時に男性が共感をしてみたいと思うかって、自分が生きづらいと思ってる事を全面的に肯定したくないんじゃないかなって。
だから映画化とかって難しいのかなと思います

社会との繋がりとしては女性の方は比較的に仕事と関係ない友達や地域で繋がることが多く、
男性の方は仕事以外のコミュニティを作るチャンスが少ない大変さはきっとあると思いました。
さっき無邪気だなーとは言いましたが映画の中で旦那さんが子ども出来て自分が失う物として挙げてた友達との繋がりって、結構重要な問題だなって

私も子育てしててママ友的な家族で遊ぶ存在できたんですけど、母親同士はわりと友達に近い感じで仲良くなるんですけど、
同じように家族間で遊んでるはずなのに、パパ同士ではあくまで知り合い程度でしか終わらないというのをわりと聞きますね

タニーさんから見てどうでした?男性視点から見てこの映画って。
そもそもタニーさんは元々知識があると思うんだけど、ここはどうにかならないのって率直に思うことってあると思うんですよ
男性から見て、この映画って受け止めやすいのかなって

男性にとって、これが見て現実味があるかどうかみたいな

自分も積極的に情報収集しているわけではないのですが、幸いこういう話題への感度の高い人が周りに多くて、自然と影響されているので、すっと入ってきました。
逆にそういう知り合いが全然居ない人、「ホモソーシャル」と言われているみたいな、ゴリゴリの男性社会の中にいる人が、どれだけ感受性を持って受け止められるのかっていうのは、正直自分もよく分からなくて。
それで言うと、女性以上に男性の中の方が認識のギャップが大きいかもしれないです。
女性だとこの映画のどこかに共感性を見出せると思いますけど、男性だと「なるほどね」と納得できる人とそれがまったくない人の振れ幅がすごくあると思うんです。

確かに。逆に男性の中でそれだけギャップがあると人付き合いする時大変じゃないですか?

それはもう大変ですよ

おお~・・・・そうなんだ!

そういう話が出ると、どうしても何も言えなくなってしまうんですよね。
最近はそういう風に黙ってるのすら良くないんじゃないかって思うときはありますけど…。
明らかに嫌な思いをしてる人が目の前に居るような場面でもないと、止めに入るっていうのはなかなか難しくて

確かに、それは男性、女性に限らず起きることですね

やり方を間違えると、先ほどのチーム長の話でも出たように、結局笑って誤魔化して終わりみたいな風になりかねなかったりして。
難しいんですよね

タニーさん今回映画選んでくれましたがフェミニズム的な話とかそういう観点で選んでくれたのかなって思ってるんですけど求めてた方向性の話になりました?

やっぱり会社での出来事とかは想像したものだったんですけど、夫の描かれ方が原作と違って優しくなっているとのことでしたけど、
その改変によって、夫本人が無自覚にしていた事とか、サポートするようになったところでキムジヨンさんも素直に受け取れない状態もあるんだよ、っていうのが浮かび上がってた気がするんですね。
救いの手を差し伸べればそれでいい訳じゃないって学びましたね。

それはダイバーシティに関して覚えておかなきゃいけない事の一つですね


今回は各々の視点ならではの感想がたくさん出て、人の感想を聞くのがとても勉強になる回となりました。
これからもいろんなジャンルの作品でいろんな観点を知る機会に出来たらなと思います。
ダイバーシティ推進委員会ではイーガオの皆がより働きやすくなるように日々いろんな活動をしています。
イーガオメンバーで、実はこれで困ってる、こういう事を知りたい、などありましたら、お気軽にslackのダイバーシティ推進のチャンネルにお越しください!
匿名で相談や質問ができるフォームがありますので、お気軽に質問を投げてみてください。
では、読んでいただきありがとうございました!

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